大学では韓国の古典文学を専門にしていました。宮女の身分で拘束された宮中生活を余儀なくしている「雲英」が、巷の青年「金進士」に恋し、それを成就させようと命まで捧げる悲劇のラブ・ストーリ『雲英伝』のような物語を読むのが大好きでした。
今は東アジアの古典文学・文化の研究に重心を置いています。良家の娘や妓女や狐が化けた美女など様々な立場の女性が、純愛一心の若き書生、外貌才能ともに秀逸な良家の子息、老獪な策士やあくまで色を貪る男など、いろんなタイプの男性方と出会って織りなす愛憎こもごもの物語の数々はいつ読んでも面白く興味がつきません。
男女のこのような出逢いと掛合いは、実に古典物語の世界だけにとどまるものではありません。現世でも洋の東西を超えて絶え間なく何処かで繰り返されております。そう見れば、男女間の沙汰が筋になっている物語の詳細を見ていくとは、意図せずして人間の本質探索という大層な作業をしているのだと言えるかも知れません。こんなマトモな理屈でもって、今日もこの手の作品を手に喜んでいる自分です。
ゼミにおいては、隣国韓国・朝鮮の歴史や文化、日本・中国との関係史に関する各種資料を読んでいます。世界における東アジアの位相、これからの日韓関係に対する正しい知識を身につけることができます。
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