私の専門はモンゴル・フォークロアの一ジャンルである英雄叙事詩研究、それからモンゴル古典文学の精華『元朝秘史』の研究です。後者の『元朝秘史』の研究はこの愛知淑徳大学に赴任してから取り組んでいる研究です。
この大学の紀要に多く連載させていただいています。
興味のある方はぜひレポジトリで公開されていますのでご笑覧のほどを。自分で言うのもなんですが、ミステリー解読のような論文ですので専門家でなくとも充分に楽しめると思います。
モンゴルには若い頃、約3年留学しました。この大学ではあまりモンゴル関係のことを教えてはいませんが、これまで培った経験を他の地域(日本を含めて)のフォークロアやドラマ等の研究指導に活かすべく、日々チャレンジさせていただいています。
学生さんからも教わることが多い今日この頃です。
交流文化演習:
私の専門はモンゴルの物語分析ですが、これまで培った経験は最近の現代ドラマや小説の考察にも応用できるように思います。
私のゼミではフォークロア、小説、ドラマ、映画などをテーマにして考察をおこない各自発表してもらっています。
学生さんからよく受ける質問は何をどう考察すれば考察になるの?というものです。
学生さんがよくテーマにされる現代的な作品の場合、「専門家」の論文がないことも多く大変です。
例えば、湊かなえさんの『Nのために』という作品はそうした現代的な作品の一つです。この物語は表向き殺人ミステリーですがNという頭文字を持つ6人の登場人物同士に流れる“Nへの情”を軸にした人間ミステリーです。
ゼミでは考察の一歩である“視点”の見つけ方を伝授できればと思っています。隠された象徴的表現もその一つです。
主人公女性Nのかつて居住していた“野ばら荘”と彼女の憧れのN夫婦の住む“スカイ・ローズ・ガーデン”。
“ばら荘”と“ローズガーデン”は実は同一で、野(フィールド)とスカイ(空)が上下関係として対比されています。
そして、野にあってもスカイにあっても“美しい(恋)花には棘がある”という具合です。
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